そりゃあ、話は聞くけどさ……

とあるリピーターさんにまつわる愚痴です。

その方は社会的な地位があるとのことで、あらゆるプロフィールが未入力。プロフィール写真も無し。お名前だけが少し覚えやすいような。なんとなくの自己顕示欲を感じる方でした。

当時の私はチャットサイトをいくつか掛け持ちしていたのですが、その全てのサイトで私を見つけ出し、そして長い時間、相手はチャット、わたしは声での対応、という形で……

しかし感覚と致しましては、拘束、されます。

そして2時間から3時間と、課金性のチャットとしてはかなりの長時間、彼が自分はとても恐ろしい変態性の持ち主で、激しいサディストであるということ、会員制のバーに出入りしているということ、数時間前にはこんな女性にあんな調教を施したということ――

ありとあらゆる変態プレイについて、チャット(男性)VS口頭(私)で話し合う、いや、どちらかというとひたすら相槌を打ち続ける、いや、リアクション芸を強要されるのです……

一見してラクな太い客じゃないのって思うかもしれません。
わたしも最初は適当にあしらっていればいい、ラクな客だと思っていました。チャットに来てくれることを待ち望んでる時期もありました。

でもね、何ヶ月と話を聞き続けていると、わかってくるんです。
これは誰にも言えない秘密を傾聴する仕事、もしくは傾聴させるプレイではなく、すべてはこの男性の妄想、夢物語であり、聞けば聞くほど、つまんない内容だってことに……

とはいえ、現実的な話であろうと、嘘八百のデタラメであろうと、パフォーマーのすることは同じです。しかし、相手がチャット連投の男性の場合、こちらは顔面や奇声でのリアクションが大変なのです。その内容がしょーもなければしょーもないほどに。

テレビに出ている芸能人って改めてすごい、って感じたりもしました。しょーもない食レポを見ながら、一生懸命に表情をつくる、ワイプの中のタレントさんの気分。相手のタイピングを待っている間は含み笑い、文字が現れると迫真の演技で驚いたり、笑ったり、とにかく文面似合った表情を見せてあげなければいけない!

そのお客様のリピート率は本当に異常なレベルだったのですが、たくさん稼がせていただきました。でも、なんだかもうちょっと多めにチップもらってもいいんじゃない?って思うお客様でした。

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